鳥居みゆきと読書(ざわ…編)

鳥居みゆきの愛読書『砂の女 / 安部公房』がキッカケで読書にハマったため、僕の読書は「鳥居みゆきが読んだ本を読む」ことから始まり、「鳥居みゆきが読んでそう・読んだであろう本を読む」ことへと広がり、時には「登場人物を鳥居みゆきで妄想して読む(例:雪国 / 川端康成)」という不純な読書もありました。舞台の鳥居さんを見る機会が少ない一地方ファンにとって、こういった読書も鳥居みゆきを楽しむ方法の内の一つなのです。

さて読書にハマって早半年が過ぎ、また最近の記事・インタビューにより鳥居さんの既読作家が新たに発覚したこともあり、一通り判明している情報を「確定編」「不確定編」に、また、自分の妄想読書を「こじつけ編」として分けてまとめようと思ったのですが、その前に、「ざわ…編」として、妄想読書が思わぬ発見に繋がった本を2冊紹介したいと思います。ヒットエンドランから躁鬱、多毛症からADHD(多動症)を連想して妄想するような重度の鳥居ンフルエンザ患者向けの内容なのでご注意ください。また、二冊とも(特に後者)ある程度バイオレンスな内容を含むので、耐性の無い方はご注意ください。

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

7月13日、14日のGETライブで鳥居さんが演じたのは『コインロッカー・ベイビーズ / 村上龍』をモチーフとした新作コントだったそうです。この新ネタの情報が流れた直後にamazonで調べたところ、偶然にも翌日15日は"新装版 コインロッカー・ベイビーズ"の発売日。いやまさかこんな偶然があるわけがない!これは「コインロッカー・ベイビーズを読みなさい」という鳥居さんのメッセージ!(ここが妄想ポイント)というわけで読んでみることにしました。

この作品の後半に登場人物の一人がライターの音を口で再現する場面がありますが、読む人によっては鳥居さんの某トークネタを連想することができると思います。ただ、この時点では「いくらなんでもあのネタがこの場面をモチーフとした文学ギャグだと考えるのは無理がある」と思ってました。しかし次の本にたどり着いたときは吃驚仰天。

灰色のダイエットコカコーラ

灰色のダイエットコカコーラ

ムー9月号のインタビュー記事において「初対面の人が肉の塊に見える」という趣旨の発言がありました。読んだその時は、「いつかのハイタ(確認したところ#6)でも日記の文字か何かで似たようなオカルト予知話してたなぁ」と思った程度だったのですが、その後、確か舞城王太郎経由でファウスト系作家について調べている時に『灰色のダイエット・コカコーラ / 佐藤友哉』にたどり着きました。以下あらすじ。


「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ。

肉の塊…肉のカタマリ…これだ!(ここが妄想ポイント)すぐに図書館でレンタルし読んでみたところ見事ビンゴ。中盤以降に出てくる「他人に興味を持つことができない」ヒロインの思想やその後の変化は、鳥居さんの人間関係についての考え方や今後考え方が変わるだろうか?という疑問について、様々な妄想を膨らませて楽しむことができます。

ほかにも先ほど紹介した「コインロッカー」、他にも「箱男」「ヒトラー」というワードが出てきたり、ラスト直前では○○○○○○○○○が○○し、作者の意図した感動ポイントと違うところで感動してしまいました。『実は行動に全て理由アリ(ロンハー寝起き2回目のテロップ)』の鳥居さんですし、もしやあのボケも文学ギャグだったのでは?と考えると「ざわ…」が止まらなくなります。

ちなみに、9月7日発売のnadesicoにも「半日もやってると周りのおばちゃんも肉に見えて来るから」という発言があります。ここまで偶然が続くとは思えないんだよなぁ。信じるか信じないかはあなた次第…もしこの本を読んで同じく吃驚仰天した方がいたら感想を聞きたいです。

おまけ:単行本版『子供たち怒る怒る怒る / 佐藤友哉』の表紙(これは流石に偶然だと思うけど)