暗闇の中で子供 / 舞城王太郎

暗闇の中で子供 (講談社ノベルス)

暗闇の中で子供 (講談社ノベルス)

煙か土か食い物」→「好き好き大好き超愛してる。」→「暗闇の中で子供」で三冊目。三郎が「大丈夫大丈夫」「大丈夫大丈夫」だいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶ……「大丈夫大丈夫・大丈夫大丈夫・大丈夫大丈夫……」言い過ぎで途中から小島よしおに脳内変換されて同時に一郎も二郎も四郎も小島よしおになったぞどうしてくれるぞ小島!ついでに「大丈夫大丈夫ってどこが大丈夫なんじゃ!おめえ全然大丈夫じゃねえぞ。」のお化けは『ウチくる!?で"全然大丈夫(映画)"を見た後にトークする鳥居みゆき』に脳内変換されました。

作品構造を知ってて読んでもちんぷんかんぷんだったけど、とりあえず「全然大丈夫じゃねえよ逃げんな」というテーマだと思って読みました。四郎より三郎(正確には虚構内三郎?)のほうが普通の人間に近い分好きです。四郎の、ちょっと前のべるぜバブ(もしくは時たま富樫がやる手抜き)並にサクサク推理が進むのも確かに気持ち良いんだけど、三郎と一緒にグルグル思考する方がどっちかというと好きです。

とある目的のため第九章の断片を引用メモ。「嘘で本当を語ろうとする際に、出現するのが物語なのだ。」「俺たちは物語を読んでいて、そういったちぐはぐさ(矛盾や齟齬)というものをどれだけ許すことができるのだろう?」「物語の全てに整合性を求める人間もいるだろうし、ある程度おかしなところがあってもまったく気付かない人間もいる。あるいは物語の矛盾や齟齬に気付いたとしても、何らかの意味付けを自分なりに行なって、それをやり過ごしてしまう人間だっている。」「ある者に対してはその物語の内包する真実を丸ごと伝えることに成功し、別のある者に対してはそれをまったく失敗してしまう。その違いを作るのはやはり物語を受け止める人間の違いによるものだろうけれど、一体何がこのような個人差を決定しているのだろう?」